QUICK START · 所要時間 約10分
Clashクイックスタート:サブスク導入・プロキシモード・接続と確認
この処方箋に入れるのは4味だけ:サブスク導入、プロキシモード選択、接続オン、動作確認。どこをクリックし、何が表示されれば成功か、うまくいかない場合はどこを見るべきかを一つずつ明記しているので、この通りに進めれば10分足らずで一通り終わる。仕組みの深掘りやトラブル対応はここでは扱わず、末尾で行き先を示す。
先に一言:クライアントによって画面は少し違う
以下の操作説明はClash Verge Rev(Windows / macOS / Linux)およびClash Plus(Windows / macOS / Android / iOS)を基準にしている。FlClashやClash Meta for Androidなどはメニュー名が多少異なるが、進め方は同じ。「サブスクリプション/設定」の入口でURLを導入し、「モード」でルールとグローバルを切り替え、システムプロキシをオンにするという流れだ。この通りに探せば迷わない。クライアント未インストールの場合は、まずダウンロードページで自分のOSに合ったものを入手し、それから戻ってこの手順に沿って進めよう。
準備編:欠かせない2つの下準備
本題に入る前に、まず2つ準備しておく。1つ目はクライアント本体で、インストール後に一度起動し、設定ディレクトリを作らせ、必要な権限を取得させてから次のステップに進む。2つ目はサブスクURLで、通常はサービス提供元の管理画面にある「サブスクリプションURLをコピー」や「ワンクリック導入」の項目にある、httpで始まる長いURLだ。このURL自体が認証情報であり、誰かに知られればそのままプランを使われてしまうため、スクリーンショットで共有したり公開グループに貼ったりしないこと。
サブスクURLを持たず、単体のノード情報やローカルのYAMLファイルしかない場合は、「ローカルファイルを導入」という方法でも同様に進められる。設定ファイルの内容やサブスクとローカルファイルの違い、複数の設定の管理方法については別のテーマになるため、用語集ページの「設定ファイル(Profile)」の項目で詳しく解説しているので、ここでは省略する。
最後に覚えておきたい数字がひとつ:デフォルトのMixedポート7890だ。クライアントを起動するとこのポートで待ち受けを始め、システムプロキシと後の確認手順で使うことになる。ポートを変更した場合は変更後の値に従うこと。「Mixedポート」の詳細も用語集ページに項目がある。
ステップ1:サブスクを導入する
Clash Verge Revを例に説明する。メイン画面を開き、左側メニューの「サブスクリプション」をクリックすると、上部に長い入力欄がある。そこにサブスクURLをそのまま貼り付け、Enterキーまたは右側の導入ボタンを押す。数秒待つと下に設定カードが1つ増え、カードにはこのサブスクの名前、残りトラフィック、最終更新日時が表示される。ここで重要なのがそのカードをクリックして選択状態にすること——カードがハイライト表示されて初めて、クライアントが現在この設定を使用している状態になる。導入しただけで選択していないと、薬を煎じても鍋にかけていないのと同じだ。
Clash Plusも進め方は同じ。「設定/サブスクリプション」画面を開き、新規サブスクを作成し、分かりやすい名前とURLを入力して保存後、一覧からそれを有効化する。他のクライアントも「Profiles/設定/サブスクリプション」といった名称の入口に貼り付け欄があるので探してみるとよい。
このステップが成功したかどうかは2点で判断する:設定カードに表示されるノード数がゼロでないこと、そして「プロキシ」画面に切り替えるといくつかの策略グループと展開後のノード一覧が表示されること。両方満たしていれば、サブスクは無事にクライアントに収まっている。
サブスクは一度導入すれば永久に有効というわけではない——ノードは増減し、プランは期限切れになる。定期的にカード上の更新ボタンを押して更新するか、設定で自動更新の間隔を有効にしておこう。カードがノード数ゼロと表示される、更新時にエラーが出るといった場合、すぐにクライアントを乗り換える必要はない。URLの失効、ローカルのネットワーク不通、サービス提供元側の異常などが原因のこともある。トラブルシューティングページの「サブスク更新失敗」の章で工程別の完全な調査手順を用意しているので、その通りに進めれば原因を特定できる。
ステップ2:プロキシモードを選ぶ
サブスクの準備が整ったら、次は通信の流れ方を決める。Clashには3つのプロキシモードがあり、それぞれ大きく異なる。選び間違えると症状は千差万別になる:
| モード | 通信の流れ方 | 使うタイミング |
|---|---|---|
ルール Rule | ルールに従って1件ずつ振り分け:中国本土は直接接続、海外はプロキシ経由 | 日常的な長期使用における第一選択 |
グローバル Global | すべての通信が現在選択中のノードを経由する | トラブル対応、ノードのテスト、特定アプリを強制的にプロキシ経由にする場合 |
直接接続 Direct | すべての通信がプロキシを経由しない | 一時的な無効化、いわば一時停止状態 |
普段使いはルールモードを選ぶ。内蔵ルールに従って1件ずつ判定し、中国本土のサイトは直接接続、海外のサイトはプロキシ経由に振り分けるため、どちらも損なわない。切り替え場所はVerge Revではホーム画面または「プロキシ」画面上部のモードバー、Clash Plusではメイン画面のモード選択欄にあり、「ルール」をクリックすればよい。
ルールモードにおいて、「海外向けの通信がどのノードを経由するか」を実際に決めているのは策略グループだ。「プロキシ」画面には「ノード選択」「自動選択」といった策略グループの項目があり、開くとノード一覧が展開されるので、選んだノードがそのまま使われる。どれを選ぶか迷ったら、まず策略グループ横の遅延テストボタンで速度測定を一巡させ、遅延が低く地域が適したノードを優先しよう。遅延・倍率・地域・プロトコルの4軸で選ぶ具体的な方法は、ブログの《Clashのノード選び方》という記事で詳しく解説している。ここでは1点だけ覚えておこう:測定結果はあくまで参考であり、実際の使用感はページの読み込み具合で判断するのが基本だ。
グローバルモードはすべての通信を現在選択中のノードに流すもので、基本的に2つの場面でのみ使う:トラブル対応時にルールの影響を排除したい場合、または特定のアプリを必ずプロキシ経由にしたい場合だ。使い終わったらルールモードに戻すこと——グローバルモードを長期間使い続けると、中国本土のサイトへのアクセスが遠回りになってしまう。直接接続モードはこれと逆で、すべてプロキシを経由しない、いわば一時停止に近い状態だ。3つのモードの詳細は用語集ページの「動作モード」カテゴリにまとまっている。
ステップ3:接続を有効化する
モードを選んだら、最後に残るのは1つの関門だけ:システムの通信を実際にクライアントへ流すこと。この関門がシステムプロキシだ。Verge Revでは「設定」画面に「システムプロキシ」のスイッチがあり、ホーム画面にもクイックスイッチが用意されていることが多い。Clash Plusではメイン画面に大きなスイッチが1つある。これをオンにすると、OSレベルのプロキシ設定が127.0.0.1:7890——つまりクライアントが待ち受けているMixedポート——に向けられ、ブラウザをはじめシステムプロキシに従うほとんどのアプリが以降Clash経由で振り分けられるようになる。
有効化できたかどうかは2点で確認する:スイッチ自体がオン状態になっていること、そしてトレイ(Windows)やメニューバー(macOS)のクライアントアイコンの色や表示が変わっていること。両方確認できれば関門は開いている。ついでに「PC起動時に自動起動」もオンにしておくと、毎回クライアントを手動で立ち上げる手間が省ける。この設定はシステムプロキシのスイッチの近くにある。
TUNモードは今すぐ有効化すべきか
一部のゲーム、コマンドラインツール、一部のデスクトップアプリなどはシステムプロキシを無視するため、TUNモードが必要になる。これはクライアントが仮想ネットワークカードを作成し、端末全体の通信を引き受ける仕組みだ。TUNの有効化には追加サービスのインストールや権限の許可が必要な上級者向けの手段なので、初回セットアップではまず有効にしないことをおすすめする。「ブラウザは問題ないのに、特定のアプリだけどうしても通信できない」という症状に本当に遭遇した場合は、トラブルシューティングページのTUNモードの章を参照し、有効化の手順と注意点を確認しよう。用語の説明は用語集ページにある。
ステップ4:動作を確認する
薬を煎じたら、一口飲んで効き目を確かめる必要がある。確認は2段階に分かれる:まず通信経路が通っているか、次にルールによる振り分けが正しいかを見る。
最も分かりやすい方法はIPを確認することだ。ルールモードのままブラウザで国内向けIP確認サイトと海外向けIP確認サイトをそれぞれ開く。前者では自分の実際のIPアドレス(直接接続を経由している)が表示され、後者ではノードのある地域(プロキシを経由している)が表示されるはずだ。それぞれで別々の結果が出て、両方とも正しければ振り分けは健全に機能している。海外向けサイトでも自分のIPが表示される場合は、通信がクライアントを経由していないということなので、ステップ3に戻ってシステムプロキシのスイッチを確認しよう。
コマンドラインに慣れている場合は、curlでクライアントのMixedポートを直接経由させるほうが手っ取り早い:
curl -x http://127.0.0.1:7890 -I https://www.google.com
正常なレスポンスヘッダー(例:HTTP/2 200)が返ってくれば、端末からノード、そして目的のサイトまで通信経路全体が通じている証拠だ。接続タイムアウトやエラーが出る場合は、ノードかポートに問題があることが多い。
接続パネルで再確認する
もっと詳しく確認したい場合、Verge Revの「接続」画面では各接続がDIRECTかどこのノードを経由したか、どのルールに一致したかを1件ずつ一覧表示してくれるので、ログを見るよりずっと分かりやすい。Clash Plusにも同様の接続一覧がある。振り分けが期待通りかどうかは、ここを見れば一目で分かる。
うまく動かないときの調査手順
確認に失敗した場合は、順番に4点を自己チェックしよう:システムプロキシのスイッチが本当にオンになっているか、Mixedポートが変更されていたり他のソフトに使われていたりしないか、モードが誤って直接接続になっていないか、現在のノードがタイムアウトしていないか(別のノードに切り替えて試す)。この4点を確認しても解決しない場合は、トラブルシューティングページの「システムプロキシが効かない」と「インターネットに接続できない」の2章で工程別の体系的な手順を用意している。個別の疑問がある場合は、まずヘルプセンターを探してみると、すでに答えが見つかることが多い。
まとめ:この先どこで相談すればいいか
4ステップを終えれば、日常使いに必要な処方箋は一通り揃ったことになる。この先は症状に応じて次の3か所を使い分けよう:
ヘルプセンター個別の質問と回答
サブスクの入手先、グローバルとルールの違い、TUNを有効にすべきか——カテゴリ別にまとめたよくある質問を一問一答形式で用意しているので、そのまま参照できる。
用語集用語をすぐ調べる
策略グループ、Mixedポート、TUNモード、設定ファイル——講座では触れなかった用語をカテゴリ別にまとめた項目がここにすべてある。
トラブルシューティング症状別に章分け
インターネットに接続できない、ノードがタイムアウトする、サブスクの更新に失敗する、速度が遅い、DNSの問題——症状別に章を分け、各章に完全な調査手順と解決策を掲載している。
あわせて読みたい記事を2本:《Clash初心者が最もよく聞く10の質問》では初心者コミュニティでよくある疑問をまとめて回答している。《Clashの設定ファイル(Profile)とは何か》ではサブスクとローカルファイルの違いを整理しているので、サブスク導入後にさらに設定を管理したい方に向いている。